## シェーダーを使う この本を書くに当たり自分自身の練習も兼ねて、シェーダーを書いて表示したり、シェアしたり、まとめたりする為のツールを作成しました。このツールはLinux Desktop、 MacOs、[RaspberryPi](https://www.raspberrypi.org/)やブラウザ上で同じように動作します。あなたのコードを書き換える必要はありません。 **表示する**: この本のすべてのサンプルは[glslCanvas](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslCanvas)を使って表示されています。glslCanvasを使うとシェーダーを単体で、とても簡単に走らせることができます。 ```html ``` ご覧の通り、必要なのは ```class="glslCanvas"``` を指定した ```canvas``` 要素に ```data-fragment-url```でシェーダーのURLを指定することだけです。詳しくは[こちら](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslCanvas)をご覧ください。 もしあなたが私のような人だったら、コンソールから直接シェーダーを走らせたいと思うでしょう。その場合は[glslViewer](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslViewer)を試してみてください。このアプリケーションを利用すると[ImageMagic](http://www.imagemagick.org/script/index.php)を使うのと同じような方法で、シェーダーをbashスクリプトやUNIXパイプラインで使うことができます。[glslViewer](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslViewer)は[RaspberryPi](https://www.raspberrypi.org/)でシェーダーをコンパイルするのにとても便利なので、[openFrame.io](http://openframe.io/)でもglslViewerをシェーダーによる作品の表示に使っています。詳しくは[こちら](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslViewer)をご覧ください。 ```bash glslViewer yourShader.frag yourInputImage.png —w 500 -h 500 -E screenshot,yourOutputImage.png ``` **作成する**: シェーダーのコーディングを簡単にするため、[glslEditor](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslEditor)というオンラインのエディターを用意しました。このエディターはこの本のサンプルにも埋め込まれています。glslEditorには幾つもの便利なウィジェットが備わっていて、直接触って具体的に結果を見ることで、抽象的なglslのコーディングをより理解しやすくしてくれます。[editor.thebookofshaders.com/](http://editor.thebookofshaders.com/)から単体で使うこともできます。詳しくは[こちら](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslEditor)をご覧ください。 ![](glslEditor-01.gif) もしオフラインで[SublimeText](https://www.sublimetext.com/)を使って作業したい場合はこの[glslViewerのパッケージ](https://packagecontrol.io/packages/glslViewer)をインストールすることもできます。詳しくは[こちら](https://github.com/patriciogonzalezvivo/sublime-glslViewer)をご覧ください。 ![](glslViewer.gif) **シェアする**: オンラインのglslEditorを使うとあなたのシェーダーをシェアすることもできます。ページに埋め込まれたものもスタンドアローン版にもexportボタンがあり、あなたのシェーダーのURLを取得することができます。また、[openFrame.io](http://openframe.io/)に直接シェアすることもできます。 ![](glslEditor-00.gif) **まとめる**: コードをシェアしてあなたのシェーダーを作品として共有しましょう。[openFrame.io](http://openframe.io/)に書き出す以外にも、あなたのシェーダーをまとめてウェブサイトに埋め込むことのできるツールを用意しました。このツールは[glslGallery](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslGallery)と呼ばれています。詳しくは[こちら](https://github.com/patriciogonzalezvivo/glslGallery)をご覧ください. ![](glslGallery.gif) ## 好みのフレームワークでシェーダーを実行する もし[Processing](https://processing.org/)、[Three.js](http://threejs.org/)、[OpenFrameworks](http://openframeworks.cc/) 、[SFML](https://www.sfml-dev.org/)などのフレームワークを使ったブログラミングの経験があるならば、慣れ親しんだ環境でシェーダーを試してみたいと思うでしょう。下記では人気のあるこれらのフレームワークで、この本で紹介するシェーダーを実行できるように設定する方法をお見せします(この本の[GitHubのリポジトリ](https://github.com/patriciogonzalezvivo/thebookofshaders/tree/master/04)にはこれら3つのフレームワークのためのソースコードが丸ごと置いてあります)。 ### **Three.js**を使う 謙虚で才気あふれる[Ricardo Cabello(MrDoob)](https://twitter.com/mrdoob)と[その他のメンバー](https://github.com/mrdoob/three.js/graphs/contributors)によって開発された[Three.js](http://threejs.org/)は、おそらく最も良く知られたWebGLのフレームワークのひとつです。このJavascriptのライブラリを使って3Dグラフィックを作る方法を学べる、サンプルやチュートリアル、本も沢山あります。 下記はシェーダーをThree.jsで使うために必要なHTMLとJavascriptのサンプルです。```id="fragmentShader"```と書かれたスクリプトに注目してください。ここに、この本に登場するシェーダーをコピーして実行することができます。 ```html
``` ### **Processing**を使う [Ben Fry](http://benfry.com/)と[Casey Reas](http://reas.com/)が2001年に開発を始めた[Processing](https://processing.org/) はコーディングを始めるのに最適な、驚くほどシンプルでパワフルな開発環境です(少なくとも私にとってはそうでした)。[Andres Colubri](https://codeanticode.wordpress.com/)はopenGLとビデオに関する重要なアップデートを行いました。これによってProcessingでのシェーダーの使用が今まで以上に簡単になりました。Processingのスケッチは ```data``` フォルダーからシェーダーを検索します。このフォルダーにサンプルコードをコピーして ```shader.frag``` と名前を付けてください。 ```cpp PShader shader; void setup() { size(640, 360, P2D); noStroke(); shader = loadShader("shader.frag"); } void draw() { shader.set("u_resolution", float(width), float(height)); shader.set("u_mouse", float(mouseX), float(mouseY)); shader.set("u_time", millis() / 1000.0); shader(shader); rect(0,0,width,height); } ``` シェーダーを2.1以前のバージョンで使うには、最初に ```#define PROCESSING_COLOR_SHADER``` を追加する必要があります。つまり以下の様なプログラムになります。 ```glsl #ifdef GL_ES precision mediump float; #endif #define PROCESSING_COLOR_SHADER uniform vec2 u_resolution; uniform vec3 u_mouse; uniform float u_time; void main() { vec2 st = gl_FragCoord.st/u_resolution; gl_FragColor = vec4(st.x,st.y,0.0,1.0); } ``` Processingでシェーダーを使う方法についてより詳しく知りたい場合は、[このチュートリアル](https://processing.org/tutorials/pshader/)を参照してください。 ### **openFrameworks**を使う 誰にでも落ち着ける場所があるものです。私にとっては今でも[openFrameworks](http://openframeworks.cc/)のコミュニティがそうです。このC++のフレームワークは、openGLやその他のC++のライブラリを内包して使いやすくしてくれます。様々な意味でProcessingに似ていますが、C++のコンパイラを扱う分だけ明らかに複雑です。openFrameworksはProcessingと同様に ```data``` フォルダー以下のシェーダーのファイルを検索します。サンプルを ```shader.frag``` にコピーして読み込むようにしてください。 ```cpp void ofApp::draw(){ ofShader shader; shader.load("","shader.frag"); shader.begin(); shader.setUniform1f("u_time", ofGetElapsedTimef()); shader.setUniform2f("u_resolution", ofGetWidth(), ofGetHeight()); ofRect(0,0,ofGetWidth(), ofGetHeight()); shader.end(); } ``` openFrameworksでシェーダーを使う方法についてより詳しく知りたい場合は[Joshua Noble](http://openframeworks.cc/ofBook/chapters/shaders.html)の[素晴らしいチュートリアル](http://openframeworks.cc/tutorials/graphics/shaders.html) を参照してください。